春は食中毒にご注意!エルシニア菌とは - 2025年5月号
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この記事は、IMCクリニック来院患者様、オンラインショップの購入者様にお渡している「IMEDIS News - イメディス新聞(月刊)」に掲載している「IMCクリニック情報」の内容となります。
IMEDIS News 2025年5月号掲載内容
春は食中毒にご注意!エルシニア菌とは
冬の寒さが和らぎ、日中はポカポカと暖かい日が増えてくると、細菌は活動的になり、細菌性の食中毒が多く発生しやすくなります。冬場に多かったノロウイルスなどのウイルス性の食中毒は減り、春から夏にかけては細菌による食中毒が増えていきます。
エルシニア菌・エルシニア腸炎とはなに?
エルシニア菌とは、腸内細菌科エルシニア属に属する細菌で、主に豚や犬・猫などの腸管内や土壌・水といった自然環境中に生息しています。
この細菌が原因で腸の炎症を起こす食中毒をエルシニア腸炎と呼びます。菌の増殖に適した温度は25~30℃程度ですが、0~4℃ほどの低温でも増殖できるという珍しい性質があります。つまり、通常は細菌の活動が鈍る冷蔵庫の中でもエルシニア菌は生き延びてゆっくり増えることができるのです。
しかし、エルシニア菌自体は熱に弱いため、十分な加熱調理によって容易に死滅させることができます。
エルシニア腸炎は、汚染された食品を食べることで起こります。日本では過去に汚染された乳製品やサラダが原因となった例が報告されており、海外では生の牛乳、チョコレート、豆腐、もやしなど多様な食品で発生事例があります。
特に豚肉はエルシニア菌で汚染されている恐れがあるため注意が必要です。加熱不十分の豚肉料理や、生の食肉に触れた野菜・調理器具などから菌が広がり感染するケースが考えられます。
どのような症状が出るの?
エルシニア菌に感染すると、腸炎エルシニアとも呼ばれる胃腸炎の症状が現れます。主な症状は腹痛、下痢、発熱などの胃腸症状で、感染してから2~5日ほど経ってから症状が出始めることが多いです。
人によっては吐き気や嘔吐を伴うこともあります。症状が軽ければ数日で回復しますが、激しい腹痛や発熱が続く場合は医療機関を受診しましょう。まれに頭痛や喉の痛みなど風邪に似た症状が出ることもあり、また小児では右下腹部の強い痛みから「盲腸(虫垂炎)」と間違われてしまう場合もあります。
一般的な予防法
エルシニア菌は基本的な食中毒対策を徹底することで十分予防できます。厚生労働省などが示す食中毒予防の三原則「つけない(清潔)・増やさない(迅速・低温管理)・やっつける(加熱・殺菌)」が重要です。
冷蔵庫を過信しない: 冷蔵保存していてもエルシニア菌は完全には増殖を止められません。食材は冷蔵でも長期間保存せず、早めに使い切るか必要に応じて冷凍しましょう。
食品は中心まで十分に加熱する: エルシニア菌は加熱に弱いため、しっかり火を通せば死滅します。お肉やお魚は中までしっかり加熱し、特に豚肉料理は中心部の色がしっかり変わるまで火を通しましょう。
二次汚染を防ぐ: 生の食材から調理済みの食品へ菌が移らないように気を付けます。特に生の豚肉や鶏肉を扱った後はまな板や包丁、手指をよく洗浄・消毒しましょう。生肉を触った箸やトングでそのまま調理済みのものを扱わない、野菜用と肉用で包丁・まな板を分けるなど、調理器具の使い分けも有効です。
飲み水・調理に使う水にも注意: エルシニア菌は川や井戸などの自然の水にも存在します。井戸水や湧き水をそのまま飲んだり料理に使ったりしないようにし、必ず煮沸するか市販の飲用水を使いましょう。野菜を洗うときも清潔な水で洗うことが大切です。ペットを飼っているご家庭では、ペットの糞便から水や食べ物が汚染されることのないよう衛生管理に気を配ってください。
※ この記事はlabo.imedis.jpから移行されました。